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おくまん様
通称田原街道の下田原地内を山田川がよこぎる。ここにかかる橋を山田橋といいます。
この下流少しばかりのところを大きく蛇行するあたりを「おくまん渕」と呼んでいます。この渕のすぐ上に熊野神社と呼ぶ小さな祠(ほこら)があり、地元の人たちは、この祠を「おくまんさま」と呼んでいます。このあたりを小字で芝原と言います。
「おくまんさま」は猪瀬家の氏神様で、当家のお年寄りの話によると「この祠は昔、先祖が熱心に熊野信仰をして、この地に神様を勧請(かんじん)して祈りました。私が嫁に来た頃は安産の神として近所の方の崇敬(すうけい)を集め、安産のときは赤いたれ幕を祠に奉納されました。」とのことでした。
熊野信仰とは
紀伊半島南部にある熊野三山を信仰するもので、平安時代以来、那智の滝を飛滝権現(ごんげん)として信者を集め、諸国に熊野神社が勧請され、全国的に拡大したといわれます。
昭和55年(1980)8月20日 第127号掲載
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