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かわちの年中行事(2) カマノフタ

 7月1日或いは月遅れの8月1日は、釜(かま)の蓋朔日(ふたついたち)です。この日は冥土(めいど)や地獄の釜のフタがあく日で、10万億土の地から、すでに亡くなられている人々の霊が13日の迎え盆までに帰って来ると言われています。つまりこの日を始めとして、お盆の様々な行事が行われています。地方によっては、精霊盆又は朔日盆と呼んでいる所もあります。この日にはナス畑や芋畑の地面に耳をつけると、釜のフタのあく音や精霊の声が聞えるという俗信もあったそうです。

 

 本県でも昔は、カマツプタツイタチとか、カマノフタなどといわれ、精霊を迎える最初の日としてさかんでしたが、最近では殆んど行われていないようです。又、一部の地方ではこの日が盆の始まりであるとして、屋敷神の掃除をしたり、地獄の釜のフタがあく日だとか、棺のフタがあく日だと言って、釜のフタをとらないとお盆様が来ないと言われていました。この日の供物としては、小麦饅頭や焼き餅を作り、仏壇や神棚に供えた地域が県下にも多く見られたそうです。精霊が、あの世から無事にこの世に帰ることを意味します。

 

 この町でも私の少年時代にはまだ行なわれていました。遠くなつかしい時代でもありました。両親や祖母などの面影が浮んできました。

 

平成4年(1992)7月20日 第270号掲載

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