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路傍の神々(34) 上組の庚申塔

 初春のやわらかな陽光の中、今年も路傍(ろぼう)の神々を訪ねて素晴らしい「ふるさと河内」と巡り会いたいと思います。

 

 田原地区を貫流する山田川の北の内橋を渡り、南へ進み、道なりに山へ入ります。50mぐらい山に入った所で、約3mの高さの山の斜面に、今回訪ねる庚申塔があります。

 

 庚申とは「コウシンさま」とも呼ばれ、聞いたことのある方も多いと思います。民間信仰の中へ深く浸透しています。

 

 庚申(かのえさる)の夜に眠ると、人の体内にいる三尸の虫がはい出して、人の寿命を司る天帝にその人の罪や悪行を告げて生命を縮めるといわれる中国の道教の教えが基本にあります。庚申の夜は眠らずに、言行を慎み、健康長寿を祈念する信仰が行なわれるようになりました。室町時代には講が組織されました。

 

 

 

 江戸時代になると講中のものが、徹夜で飲食をすることから地域の中で村人の連帯につながりました。

 

 上組の庚申塔の銘文は、本尊右肩に「享和三年」とあり、左肩は判読不能でした。

 

 庚申塔には上部に日天や月天を配し、青面金剛が刻まれ、一面三眼六臂(1つの顔、3つの目、6本の腕)の姿をしています。

 

 下部には三猿(見ザル、聞ザル、言ザル)が刻まれています。

 

 享和3年は、1803年です。町内にも庚申講を伝えている所は多いですが、今では初庚申と終(しま)い庚申だけの所が多いようです。

 

 時代と共に姿を変える多くの人の楽しみがあるとすれば、それは現代の庚申様なのかもしれません。

 

 石造 高さ90cm

 

平成8年(1996)1月20日 第312号掲載

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