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路傍の神々(80) 上組公民館敷地内の石祠群

 それぞれの木がそれぞれの色で山や里を染め、晩秋から初冬へかさこそと落葉の音と一緒に季節は進んでゆきます。

 

 通称田原街道の下田原交差点から南へ300m位の所を左に入ると上組公民館があります。

 

 今回は公民館敷地の一角にある石祠群(せきしぐん)を訪ねます。

 

 石祠とは、石で造られた家屋形の石造物を指し、本尊を安置する石製の屋根を伴う形を基本としています。

 

 江戸時代中期頃から全国各地に多種多様な石祠が造られるようになりました。

 

 古い家の裏庭などには「氏神様」として祀(まつ)られているのも多く、この型式の石祠です。原始的な形態を残すものに、「ワラホウデン」があります。

 

 上組公民館敷地内石祠群は、四社と石灯籠四基があります。

 

 

 

 正面向かって左側から

 

(1)秋葉神社

 

 火防(ひぶせ)の神を祀り、信仰圏は東北、関東、東海地方に及びます。

 

(2)二荒山神社

 

 日光二荒山神社を祠り、8月1日に登拝祭の時にお参りをする。あるいは代参に行った人が報告を行う。

 

(3)金比羅神社

 

 四国香川県多度郡琴平町にあり全国的に有名です。運輸関係(海上・交通安全)に篤く信仰されています。

 

(4)天王様

 

 夏まつりの主役となる神様で、疫病(えきびょう)退散を祈願する「お天王さん」として親しまれています。

 

 石灯籠は古いもので「萬延申元歳」(1860)の銘があります。

 

 何らかの事情で一ヶ所に集められたと考えられます。

 

 歳月は過ぎても、人々の思いは変ることはありません。しかし祭りの方法は時代によって変化して行きます。

 

平成11年(1999)11月20日 第358号掲載

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