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路傍の神々(17) 光明真言奉唱供養塔

 義経伝説の養膳寺跡、古くからの農村風景と静かな美田に囲まれた西下ケ橋(さげはし)の北の端に八坂神社があります。

 

 今回は八坂神社境内の「光明真言奉唱供養塔」を訪ねます。

 

 光明真言は密教の神秘性を保持するために、梵字や陀羅尼を翻訳せずに読誦するのが通例で、24の梵字から成り立っています。

 

左記の様に読み「大日如来の智慧(ちえ)と慈悲によって衆生を救って下さい」という意味が含まれています。

 

 光明真言を奉唱することによって生者は罪や穢(けが)れを祓(はら)い、病気や災難を除き、安楽長寿を得るとされています。死者はこの真言を加持した土砂を散ずることによって極楽浄土に往生できるとされています。

 

 

 この光明真言塔の銘文は右側から

 

「寶暦十二壬午稔 邑中男女」

 

「(※梵字1)炎明真言參百萬遍供(※表外漢字1)」

 

「霜月廿四立之 欽而唱満」

 

 宝暦12年(1762)壬午の霜月(11月)24日に村中の男女により光明真言300万遍を欽を以て唱え、満願になったので供養塔を立てたものです。

 

 「參百萬遍とは、数量信仰で、百度参りや千人針と同じ考えで、多くの人が多量の行法を行う時、神仏は人の願いを叶えてくれると信じられ、天文学的数量に成長したと考えられています。

 

 河原石 高さ75cm

 

平成6年(1994)8月20日 第295号掲載

※梵字1

※表外漢字1

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