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路傍の神々(93) 古田の庚申塔

 ミレニアム・オリンピック・ノーベル賞・ITなどの言葉が印象的な今年を惜しむようにカレンダーが残り少なくなりました。

 

 古田の公民館を過ぎ、西下ケ橋(さげはし)へ向う道の分岐点付近、屋敷林の中に今回訪ねる古田の庚申塔があります。

 

 庚申とは「コウシンさま」・「コウシンさん」と呼ばれ、庶民信仰の中に深く根付いていきます。

 

 庚申(かのえさる)の夜に眠ると、人の体の中にいる三尸(さんし)の虫が這い出て、人の寿命を司る天帝にその人の罪や悪行を告げて生命を縮めるといわれる中国の道教の教えが基本にあり、庚申の夜は眠らずに言行(ごんぎょう)を慎み、健康と長寿・豊作や財福を祈念する信仰が行われるようになり、室町時代には講も組織されました。

 

 江戸時代になると講の人々が、徹夜で酒食をし、祈ることから地域の中で村人の連帯やコミュニティづくりにつながり、盛んに行なわれるようになりました。

 

 

 

 古田の庚申塔の銘文は正面に、

「庚申供養塔」

 

裏面に

「寛政十二年庚申十二月吉日」

 

とあります。

 

 河原石に素朴な文字で刻まれています。

 

 庚申塔の周囲は現在、屋敷林と梅林になっていますが、以前は庚申塚を60年に1回作り、8ヶ所の庚申塚があったそうです。現在は二基確認できます。

 

 記録に残る古田の歴史は約400年とされていますが庚申塚から推定すると50年位は遡(さかのぼ)ることが可能で永禄3年(1560)です。寛政12年(1800)は庚申信仰の最も盛大な時期でもありました。

 

 多くを得た二十世紀、しかし多くを失った二十世紀だったのかもしれません。

 

 河原石 高さ 90cm

 

平成12年(2000)12月20日 第371号掲載

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