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路傍の神々(61) 台岡本の伊勢塚

 しっとりとした朝の風を体に感じ、新緑を目で楽しみながら河内工業団地からオアシックタウンに入る道を進むと左側に墓地があります。

 

 今回はこの墓地の南西隅にひっそりとある伊勢塚を訪ねます。

 

 伊勢塚とは伊勢神宮の信仰集団(伊勢講)が参宮を記念して何回かに分けて塚を築いていったとされています。

 

 伊勢神宮は三重県伊勢市に鎮座(ちんざ)する神社です。

 

 皇大神宮(内宮(ないぐう))は 天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀(まつ)り、豊受大神宮(外宮(げぐう))は豊受大神を祀ります。

 

 

 

 伊勢神宮は皇室の信仰を受けて広大な神領を有していたが、室町時代以降、各豪族の領地吸収によって次第に神宮の維持が困難になったために、祈祷師(きとうし)などが各地に出かけて神礼を配り初穂料(はつほりょう)によって経営するようになった。

 

 結果として各地に伊勢講が組織されていった。

 

 江戸時代に入ると交通や経済の発達によって「伊勢参り」が行われるようになり、封建社会のフラストレーションから慶安3(1650)・宝永2(1705)・明和8(1771)・天保元(1830)年の4回行なわれた「御陰参(おかげまいり)」と慶応3(1867)年の「ええじゃないか」は特に有名で宗教的陶酔(とうすい)と民衆パワーの爆発には目を見はります。

 

 台岡本の伊勢塚は円墳型式で塚のみが残っています。直径が14.2m、高さ5.7mあります。

 

 言い伝えによれば伊勢参宮の記念に築造されたといわれています。

 

 墓地の一角に残るこの塚に、昔の人々のいろいろな思いを感じながら春の一日がのんびりと過ぎてゆきます。

 

平成10年(1998)4月20日 第339号掲載

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