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路傍の神々(33) 叶谷の十九夜塔

 田原西小学校の北側、静かなたたずまいの叶谷(かのうや)の里があります。この集落を一周する道路があり、東の入口付近に石仏群があります。今回はこの石仏群の中から十九夜塔を訪ねます。

 

 十九夜講は、大字や小字、組内単位で組織される女人講で「十九夜の月待講」と呼ばれる女性たちの念仏講です。

 

 毎月19日の夜に当番の家やお堂などに集まり、十九夜の本尊である如意輪観音の軸を掛けて、念仏や真言などを唱え、燈明(とうみょう)をあげて十九夜の勤行(ごんぎょう)を終えます。その後、共同飲食や雑談となり、楽しい一時を過ごして解散となります。

 

 女人講なので安産や子育て、婦人病などの祈願が行なわれていました。

 

 

 この十九夜塔は、正面には、舟形光背に輪王座をした本尊の如意輪観音像が半肉彫りしてあり、

 

 台座には「女人講中」

 右側には「安正攵五歳十二月吉祥日」

 左側には「叶谷村」「世話人面付」

 「太郎右ヱ門」

 「弥惣右ヱ門」

 「弥五左ヱ門」

 「覚左ヱ門」「平左ヱ門」

 

とあります。

 

 安正攵は年号で、安政にあたり、この場合は政の文字が上下に分けて書かれている異体字となっています。安政五年(1858)に造立されました。「世話人面付」は世話人の顔ぶれと理解できます。

 

 現在でも年に数回はお念仏を守り続けているそうです。

 

 石仏群の後山は、西小のグラウンド整備のため削りましたが、工事関係者の協力で一部石仏群を修景保存しました。

 

 高さ115cm 石造

 

平成7年(1995)12月20日 第311号掲載

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