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「如意輪観世音菩薩」の掛軸
和久(わぐ)自治会は現在でも十九夜信仰の厚いところです。岡本金吾氏の話しによりますと、毎年1月・6月・10月に十九夜講を開いているそうです。その日は専光院に信者が集り、「如意輪観世音菩薩」の掛軸(かけじく)の前に供物(くもつ)をし念仏を唱えます。
如意輪観音の姿は、腕の数が四臂(しひ)で、それぞれの腕は、向って左の第一手を頬にあてて思惟(しい)の相をし、第二手には数珠(じゅず)、右の第一手は垂(た)れて大地を押さえ、第二手は輪宝を持っています。
信心することにより現世利益(りやく)があり、女性の安産や苦難の救済、更(さら)にこの観音様は、信者の願っているどこにでも現れてくれると信じられています。
地獄・餓鬼(がき)・畜生・阿修羅(あしゅら)・人・天の六道を救済するとも考えられ、この世から死後の世界に至るまでの苦悩を救済してくださる仏として、和久の人々に心から信仰されたのでしょう。
平成2年(1990)6月20日 第245号掲載