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路傍の神々(65) 和久の戦没軍馬忠霊碑

 暑く重い、8月15日が再び巡ってきました。53年の歳月の流れは、私たちの心や記憶の中から太平洋戦争が少しずつ薄らいでいます。

 

 私も戦争を知らない世代ですが、徐々に平和の尊さを考えてみたいと思います。

 

 和久(わぐ)の集落から、古里中学校に向う坂道の途中に星宮神社があり、この鳥居の先に今回訪ねる「戦没軍馬忠霊碑」があります。

 

 太平洋戦争は、日本がそれ以前に経験した戦争とは比べることが出来ない戦いでした。アメリカと敵対した結果、工業力・経済力・情報処理能力は日本をはるかに越えていました。

 

 軍事物資の不足から、金属、木材、食糧、馬などの供出が強制され、国民生活は大変困難な状況になりました。

 

 馬は古代から軍事や重量物の運搬などに用いられて来ました。

 

 

 

 和久の戦没軍馬忠霊碑の銘文は、正面に

「戦没軍忠霊碑」

 

右側に

「昭和十八年四月一日」

「和久部落會建之」

 

とあります。

 

 戦没軍馬忠霊とは、戦争で国家でまごころを尽くして死んだ軍馬に対して、この碑を建てて供養することです。

 

 昭和18年(1943)4月1日です。折しも太平洋南方のガダルカナル島撤退(てったい)、北太平洋アッツ島玉砕、学徒出陣など、日々戦局は厳しさを加えていました。この時期に和久の集落の人々によってこの碑は建てられました。

 

 草むらに、時を止めたようにたたずむこの石碑に想いを致すと、現在の平和の中に当時の苦しみや悲しみがあったことを忘れてはいけないと思います。

 

 私たちの子供たちの中に戦争の悲惨さと、平和の尊さを語りつぐ夏の一日が、蝉の声と共に過ぎて行きます。

 

 高さ132cm 石造

 

平成10年(1998)8月20日 第343号掲載

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