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かわちの年中行事(8) 小正月のドンド焼き

 今から5・60年程前の岡本付近は、まだまだ山林や畑が多く、兔や鷹なども棲んでいたり小鳥や植物などの種類も多かったし、川には様々な魚も見られた。夏には魚を釣ったり水を浴びたり、秋から冬にかけては山林に入って茸を採ったり、囮(おとり)と鳥餅を使って小鳥を獲ったりして遊んだ。子供の行くところで遊びの無いところはなく、山も里も子供の目から見れば遊びの対象でないものはなかったと言える。

 

 小正月(1月14・15・16)のドンドン焼も遊びの対象と言える。ただし門松を焼くと言う大義名分があったことも事実であった。しかし、門松を焼く為ではあっても1間四方(1.82m)もあるような小屋掛を竹ばかりで造り、屋根には組内の門松(かどまつ)を載せ、シメ縄や書き初め等の外、燃え易い藁などを小屋の中に入れて燃やした。小屋は4・5日前から造り、小屋の中では小さな鍋で煮炊きなどもしたような記憶も残っている。宇都宮へ通う中学生に頼んで肉なども買って来て貰い、子供達みんなで雑煮を食べた非常に懐しい記憶もある。

 

 現在も岡本駅前連合会では、駅前第一公園で此の行事を復活し、まゆ玉を焼いて食べている。なんとも楽しく懐しい風習であった。

 

平成5年(1993)1月20日 第276号掲載

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