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路傍の神々(8) 東下ケ橋の愛染明王

 西鬼怒川にかかる西川橋を渡り、東芦沼方面に向かって東下ケ橋(さげはし)の集落を過ぎるあたりの県道沿いの左側に、男體山(なんたいさん)・愛染明王(あいぜんみょうおう)・二十三夜塔の三体の石仏があります。

 

 今回は、その中央にある愛染明王を訪ねます。

 

 愛染明王は全身赤色をしており、深い愛情の神格化されたもので、江戸時代には女性の恋愛の成就祈願の対象とされました。名称から紺屋(こうや)などの染色業者の信仰も集めました。また、二十六夜講の本尊として人々の間に広まっていきました。

 

 江戸時代中頃から盛んに造られ、関東地方を中心として全国に分布しています。

 

 地元の人から「アイソメサマ」と呼ばれて、正月や11月19日には赤飯などを供えているそうです。

 

 

 一時、道路拡張工事で移動する話もありましたが、「今の場所が良い」というお告げがあったので、造立時と同じ所にあります。

 

 この愛染明王の銘文は、

 

正面に

「愛染明王」

右側に

「天保十三壬寅十一月吉辰」

「金百五拾四□」

左側に

「世話人 富右衛門 金右衛門 電六」

 

 天保13年(1842)で、隣りの二十三夜塔と造立年月日は同じことを付け加えます。

 

 飢饉(ききん)や疫病(えきびょう)に苦しんだ時代、そして今年の冷夏や長雨に苦しんだ時こそ、来る年に向けての豊作を神仏に祈ったことを感じました。

 

 河原石 高さ130cm

 

平成5年(1993)11月20日 第286号掲載

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