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路傍の神々(58) 東組の大黒天

 新玉(あらたま)の年、若年(わかとし)様に手を合わせ、今年も「路傍(ろぼう)の神々」を訪ねて、遠い過去から限りない未来へと続く「ふるさと河内」の素晴らしい「未来への遺産」に巡り逢いたいと思います。

 

 太陽ヶ丘団地を上りつめると旧大都ランド跡があります。ここから見える東側の斜面を上がった所に今回訪ねる東組の大黒天があります。

 

 大黒天は「ダイコク様」と呼ばれ、恵比寿様と共にゴールデンコンビを組んで親しまれている神様です。

 

 大黒天の像容は、左肩に大きな袋を背負い、右手に打手の小槌を持って、米俵の上に立ち、あふれ出る笑顔に大黒頭巾をかぶっているのがよく知られている姿です。

 

 

 

 東組の大黒天の銘文は、正面に「大黒天」、右側に「明治十一年十一月十九日」、左側に「上田原村 黒石村」とあります。

 

 明治11年(1878)で寅年にあたります。

 

 上田原村 黒石村は現在の西方寺付近の小字名です。

 

 江戸時代以後の大黒天はこのような文字塔が多く見られます。

 

 大黒さんは「秋田大黒舞」のように民謡にも歌われたり、七福神にも数えられたり、福徳信仰の中心となる神様です。

 

 去年よりも今年は良い年でありますようにと日本人は新年を迎えて来ました。

 

 大黒様のような笑顔のあふれた町に、そして今年は一層の景気拡大と豊作を祈りました。

 

 高さ75cm 石造

 

平成10年(1998)1月20日 第336号掲載

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