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岡本あれこれ(26) 根古屋の初午

 初午(はつうま)とは、京都の伏見稲荷大社が、初めて降りて来られた日が2月の午の日であったため、その日をそう呼ぶようになったということです。伏見稲荷大社は、稲荷神社の総本宮であります。

 

 根古屋(ねごや)の初午には珍らしい風習があります。そのうちの数例をお話ししますと、鉄瓶から汲(く)んだ湯でお茶を飲むことは禁忌(きんい)とされ、鍋で湧かした湯を使ったことです。また、その隣りでは風呂を湧かすことが出来ない習慣でした。恐らく乾期で風の多い2月に、火気に対する注意をうながす意味があるのではないかと思います。

 

 もう一つの習慣は、初午の日に「しみつかれ」という料理を作ることです。これは大根をセンツキ(オニオロシ)と称する器具で細かくおろし、鮭の頭・大豆を軽く煎(い)って砕いたものと油揚げ等を切り、酒粕(さけかす)を混ぜて少しばかりの塩を加え、これらが柔かくなるまで煮込んで作るものです。なかなか味のあるもので、どの家でも作られ、おかず代りに食べていました。

 

 これは合理的な冬の食品で栄養バランスも良く、私は今でも「しみつかれ」と呼んでいます。

 

                      平成2年(1990)10月20日 第249号掲載

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