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路傍の神々(55) 根古屋の阿弥陀三尊板碑

 刈り入れの終った田圃(たんぼ)では、カサコソとイナゴが跳ねています。

 

 中世を今に伝える岡本城の下にある根古屋集落は、城下町の初期の形態を残しています。根古屋(ねごや)から東岡本へ向かう途中に石祠があります。今回はこの祠(ほこら)の御神体である阿弥陀三尊板碑を訪ねます。

 

 板碑とは、板石塔婆(いたいしとうば)と呼び緑泥片岩(りょくでいへんがん)などを使い、上部を三角形にして直下に二条の横線を刻み、下方に種子や仏像などを刻んだもので、鎌倉〜室町時代にかけて供養や追善などの目的で作られました。特に関東に多く分布し、中世の地方の社会、文化、宗教、生活を知る資料として貴重です。

 

 現在まで河内町では板碑の確認はなく、今回がはじめての発見となりました。

 

 

 

秩父緑泥片岩

 根古屋の板碑は、右側と下部の欠損はありますが、種子部分が良好に残り、中央に

 

(1)(きりーく).(阿弥陀如来)、下に蓮華座、左に(2)(さーく).(勢至菩薩(せいしぼさつ))、右に(3)(さ).(観世音菩薩)を配しています。

 

(1)きりーく

(2)さーく

(3)さ


 

 製作年代は不明ですが、蓮華座の形式から室町時代初期のものと推定できます。

 

 石や金属に刻んである文字を金石文といいますが、この板碑は河内町では最古の歴史史料といえます。

 

 改めて郷土史のロマンを想い描くきっかけとなりました。

 

 私たちの先祖の残した貴重なものを、未来へ伝えたいと思います。

 

 秩父緑泥片岩 高さ34cm

 

平成9年(1997)10月20日 第333号掲載


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