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路傍の神々(79) 白沢甲部薬師堂の地蔵菩薩立像

 空に鰯(いわし)雲、山の樹々には彩りの粧(よそお)い、水は清らかに澄む季節。歴史に思いを馳(は)せ奥州街道白沢宿に行きました。

 

 白沢宿の北の交差点から遊歩道に入ると、白沢甲部薬師堂があります。今回は正面左側に立つ地蔵菩薩立像を訪ねます。

 

 誰でも知っている仏様「お地蔵様」は、いつも身近に居て、見守っています。

 

 大地が「母」に例えられるように、大地に多くの生命を育む力が蔵されています。慈悲(じひ)深い菩薩で衆生(しゅじょう)を救うといわれます。特に、両親に先立った子供たちが父母を恋い慕う気持ちから、冥土(めいど)の三途(さんず)の川・賽(さい)の河原で石を積み上げ塔を作り終日遊んでいると夕方に鬼が来て、塔を壊したり、子供たちをいじめたりしているところへ地蔵菩薩が現われ子供たちを救うという仏教説話(賽の河原地蔵和讃)があり、「お地蔵様」と子供・安産・子育てなどは強く結びついています。

 

 

 

 この地蔵菩薩立像の銘文は、台座部分に

 

「玄誉善空・浄運了慶」・「願主・成觀(※えん)塔・悟雲浄隆」

「享保十一歳・丙・十一月廾四日」

「世話人」・「宇梶太郎左衛門(他12名略)」とあります。

 

 成觀(※えん)塔・悟雲浄隆さんの願いによって享保11年(1726)丙午の11月24日、地蔵の縁日(えんにち)に造立されました。

 

 像高160cmで、単円光背(たんえんこうはい)を有する大きな金銅仏です。右手に宝珠(ほうじゅ)、左手に鉄製の錫杖(しゃくじょう)を持ち現在に伝えられています。

 

 昔は薬師や地蔵の縁日には参詣者も多く、露店も出てとても賑(にぎ)わったそうです。

 

 ゆっくりとのんびりと秋の一日が白沢宿を包んでいます。

 

平成11年(1999)10月20日 第357号掲載

※えん

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