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路傍の神々(6) 立伏の馬頭観音

 田原丘陵を西に進み、グリーンタウン入口の少し手前右側、丘の上に立伏(りゅうぶく)公民館があります。その東側に今回訪ねる馬頭観音があります。

 

 馬頭観音は、江戸時代中期以来盛んに造られ、全国に分布し、特に北関東では濃密に分布しています。古来農耕や重量物の運搬、軍事などの動力として利用され、その息災と安全を願って路傍(ろぼう)には数多く建てられ今日に至っています。

 

 一般的に観音様は、温和で優しい顔をしているのに対して、馬頭観音は恐ろしい顔をしています。やさしく説いてもわからない人々を、威力で導くという役割ともいわれています。頭上に馬の顔を載(の)せているために、庶民の間では馬の守り神とされ、馬の健康と死馬の冥福を祈る対象ともされています。

 

 

 馬頭観音の由来は、馬のごとく大口を開いて人々を救い、馬が草を食べるように余念なく、疾走(しっそう)するように人々を救うところにあると言われています。

 

 立伏の馬頭観音は、一般的な文字塔ではなく、舟形光背(ふながたこうはい)に浮彫りの姿で、塔身部分には躍動感(やくどうかん)のある馬のレリーフが特に印象的です。

 

 この馬頭観音の銘文は、塔身部分の向かって右側に

 「弘化四年丁未三月吉日」

 

左側に

 「當村中 世話人五名(略)」

 

弘化4年(1847)に造立されました。

 

 昔は、動物と私たちの間は互いに親しいものであったと思います。

 

 石造 高さ178cm

 

平成5年(1993)9月20日 第284号掲載

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