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路傍の神々(59) 逆面の出羽三山供養塔

 寒明けとなり、日毎に日脚の長さを感じながら、河内町北西部逆面の里へ行ってみました。

 

 逆面(さかづら)の中心、神々(こうごう)しい森に囲まれた白山神社があり、参道を登ると石段の両側に石塔群があります。今回はこの石塔群の中から出羽三山供養塔を訪ねます。

 

 出羽三山とは山形県(出羽国)東田川郡羽黒町を中心にして月山(がっさん)(標高1980m)、湯殿山、羽黒山を指し、地形的には一つの山で、三つの別峰を三山としています。

 

 羽黒山は伊氏波神(いではのかみ)(羽黒山神社)、月山は 月読命(つきよみのみこと)(月山神社)、湯殿山は 大山祇命(おおやまずみのみこと)(湯殿山神社)を祭神としています。三山の中心は羽黒山ですが、月山と湯殿山は冬の間積雪があり、登山が困難となります。そこで、羽黒山に三山合祭殿を文政3年(1818)に、庄内藩主酒井忠器が建てました。修験道(しゅげんどう)の道場として有名ですが、民間信仰では五穀豊穣(ごこくほうじょう)に特に利益(りやく)があるとされ、講を組織して参詣しました。

 

 

 

 河内町では「丑年の奥詣り」と呼ばれています。東北、関東信越地方に信仰圏を持っています。

 

 逆面の出羽三山供養塔は大谷石で造られ、銘文は、

 

正面に

「湯殿山」

「月山」

「羽黒山」

 

左側に

「明治貳拾貳年六月廿八日」

「年詰出發」

「石工 篠原善吉」

 

 明治22年(1889)は、丑年にあたります。

 

 他にも二基あり、大正15(1年後)、昭和12、24、36年といずれも丑年に参詣した記念の銘があります。現在手軽になった旅も昔は大変な苦労であったことを思い、平成の駕籠(かご)に乗り戻りました。

 

 高さ200cm 大谷石造

 

平成10年(1998)2月20日 第337号掲載

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