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路傍の神々(10) 逆面白山神社の鳥居

 古代の「道鏡伝説」、中世の面影を今に伝える「逆面(さかづら)城跡」、近世の地方仏教の高さを示す「大般若(はんにゃ)経六百巻」、毎年のお盆に行われる「逆面獅子舞」など歴史と文化に彩られた逆面の里の中心に、白山神社があります。

 

 今回は神社の入口にある鳥居を尋ねます。

 

 鳥居は神社の門とされ、また地図記号にも用いられる神社の象徴ともなっています。鳥居の語源については、「通り入る」が転化したものと、天照大神の岩戸隠れの神話の時、ニワトリを止まり木にとまらせて鳴かせたところから、鶏居と呼び、これが変化したとも言われています。

 

 現在の鳥居の型式が成立したのは八世紀頃とされ、神社によって特色があり、その数十三種類にも及び、材質も木・石・銅・鉄・陶製・コンクリートなど多種にわたります。

 

 

 この鳥居の銘文は、正面右側の柱に、

 

「元禄七年戌四月廿一日」

 

元禄7年(1694)で、今年の4月で300年になり、この鳥居が造立されて、25回目の戌(いぬ)年です。

 

 鳥居の形式は明神鳥居で、一部補修の部分もありますが、300年の逆面の移り変わりを風雪に耐えて見続けて来ました。

 

 新しい年を迎え神々に祈る心は、昔も今も変わりません。今年も新たな視点で郷土の歴史に出会いたいと思います。

 

 石造 高さ・幅共に 262cm

 

平成6年(1994)1月20日 第288号掲載

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