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路傍の神々(13) 叶谷の愛宕様

 現在建築中の田原小学校分離校から北へ入ると叶谷(かのうや)の里になります。叶谷の墓地から奥、山の中腹に鳥居が木の間隠れに見え、標高約200mの頂上に今回訪ねる愛宕様があります。

 

 愛宕神とは軻遇突知神(かぐつちのかみ)・火産霊神(ほむすびのかみ)と呼ばれる火の神であるところから火防の神として、集落ごとに愛宕講(あたごこう)を組織し、村の守護神としていたと考えられます。

 

 京都府右京区嵯峨野愛宕町の愛宕神社を中心として、東北から中国・四国地方に及ぶ広い信仰を集めています。

 

 地元の方によれば、今もお祭りをして参拝するそうです。その名残りとして鳥居の周辺から山肌の岩盤を加工した階段を確認することができます。

 

 

 頂上には杉の御神木の根元に、現在の祠(ほこら)と古い祠・石燈籠があります。

 

 現代生活の中では、火力・水力・原子力などを利用してエネルギーを手にすることができますが、昔は主に火を熱や光として利用していました。茅葺(かやぶ)き屋根と木造家屋が主流であった事情から、火の利用や管理、特に火災に対しての気配りが理解できます。

 

 簡単にエネルギーを仕える今の時代にも、火に対する備えや心構えを持つことが、地球温暖化や環境問題解決への一助になると、叶谷の自然の中で思いました。

 

 石祠  高さ  115cm

 

 石燈籠 高さ  85cm

 

平成6年(1994)4月20日 第291号掲載

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