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路傍の神々(1) 天王原の橋供養塔

天王原の八坂神社境内にある橋供養塔

 昔から人々の通行する橋や道路、あるいは石段の建設に当たって、これが堅牢(けんろう)を保ち永く人々の使用に耐えられることを祈り供養塔を造立する習わしがあり、現在も継続されています。

 

 この供養塔は、東日本に多く分布して、木橋を石橋に架け替えた時や、洪水などの破損により橋を新たに架け替えた時に、その完成による利便を喜び、橋供養を行った際に立てられたものと思われます。

 

 橋供養塔は自然石や角柱型の石が多く、その表面には「橋供養塔」「石橋供養塔」の文字が彫られています。そして橋の建設費用を拠出した人々の名、供養にあたった僧侶(そうりょ)の名を刻んでいることもよくあります。

 

 

 

 橋供養塔には馬頭観音、地蔵尊、庚申塔などをあわせ刻んだものもあります。

 

 天王原の橋供養塔は、上田原富岡の八坂神社境内にあり、角柱型で正面に日天・月天を彫り、中央には梵字で光明真言(こうみょうしんごん)と橋供養の文字がある。造立年代については、寛政4年(1792)2月吉日とあり、文政4年(1821)旧正月吉日とあるのは追刻(ついこく)と思われます。

 

 願主には当時の上田原村西組村中で、具体的に橋の名前はないが、地理的な状況から富岡橋と深い関係があると思われます。

 

 石造 高さ 120cm

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